野菜の種袋に「種を2~3粒まいて」と記載されていることがありますが、「なぜ1粒じゃダメなの?」と思っている人もいるでしょう。
「どうせ間引くのにもったいない」「種もタダじゃないんだぞ!」…筆者も家庭菜園を始めた頃はそう思っていました。しかし、野菜の種を1粒ではなく複数粒まくことにはちゃんと意味があるのです。
なぜ種を複数まく必要があるのか、本記事で理由を詳しく解説します。

【執筆者】夏目ミノリ
山・畑持ちの元Webライター
地植え、プランター、水耕で作物を栽培中
| 自給自足しているもの |
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| 薬味(しそ、ねぎ) 野菜全般 果物(レモン、ブルーベリー、アンズなど) ハーブ(ローズマリー、バジルなど) ※その他、夫実家の家庭菜園を手伝ったり所有している山から山菜やたけのこを収穫したりしています |
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種を複数まく理由は「いい苗を確保するため」

種を1粒ではなく複数粒まくのは、いい苗を選び出して野菜の栽培成功率を上げるためです。
野菜作りは、種をまけば育つという単純なものではありません。種が発芽しなかったり苗が丈夫に育たなかったりといったトラブルにより、収穫までたどり着けない場合もあります。もし1粒だけまいていい苗を確保できなければ、育苗にかけた時間がすべて無駄になってしまうでしょう。
種がどう成長するかは、育ててみなければ分かりません。「確実に発芽し丈夫に育つ種」なんてものがない以上、いい苗を確保できるように種は複数まく必要があります。
「種を複数まくのはもったいない」と思ったときの対処法

種は消耗品なので、一度に複数粒まくことに対して「もったいない」と感じてしまう人もいるでしょう。筆者は貧乏性なので、ケチりたくなる気持ちがよく分かります。
しかし、いい苗を確保するためには種を複数まくことが大切です。ここで、「もったいない」というネガティブな気持ちを切り替える方法を紹介します。
対処法1. 種の寿命を意識する
野菜の種には寿命があります。寿命をすぎると発芽率が下がりうまく育たないので、寿命を迎えるまでに種を使い切ってしまうことが大切です。

ケチった使い方をすると、結局残った種がダメなって余計にもったいないですよ
種の寿命は野菜によってさまざまで、5年以上もつものもあれば1年でダメになるものもあります。育てたい野菜の種がどれくらい日持ちするかを確認して、寿命を迎えるまでに使い切れるような育て方を意識しましょう。「種がダメになる前に使わなきゃ!」と気持ちを切り替えられれば、種を複数まくことへの抵抗感も薄れ、必然的に栽培成功率も上げやすくなります。
対処法2. すじまきにする


種のまき方を「すじまき」にするだけでも、もったいなく感じる気持ちを和らげられますよ。
種まきのやり方にはいくつか種類があり、なかでも1つの穴に複数粒の種をまく「点まき」はもったいなさを感じやすいです。「1つの穴に1粒でいいではないか」と考えてしまうからですね。
しかし、線状の穴に種を1粒ずつ並べるようにまく「すじまき」であれば、1つの穴に1粒という考え方にならないので、種を複数粒まくことにも抵抗がなくなります。



「1つの穴に1粒」のように1:1の考え方をしなくていいぶん、納得感は格段に違うはずです
対処法3. 間引き菜も楽しむ


間引き菜を有効活用すれば、種を複数粒まいても無駄にならないので、「もったいない」という考えにもなりにくいですよ。
間引き菜は、最後まで育てられない脱落選手です。大きくなる前に摘み取ってしまった野菜たちを見たら、「間引いたぶんをそもそも植えなければいいのに…」と思ってしまいますよね。
しかし、間引き菜も野菜としておいしく食べられます。決して無駄にはならないので、「間引き菜も食べられる」と理解しておけば、安心して種を複数粒まけるようになるでしょう。
対処法4. コスパがいい種を選ぶ


コスパがいい種を選ぶと、抵抗なく種をまけるでしょう。
普段の食事作りと同じ感覚です。例えば、スーパーで安く売られているもやしに対して、「使うのがもったいない」とケチりながら料理に使う人は少ないでしょう。しかし、牛肉や魚のように単価が高い食材だと、ここぞというときまで使えなかったり小分けにして使ったりしますよね。
野菜の種も同じで、コスパがいい種であればケチらず正しい使い方ができます。「種は複数まく」が習慣化するまでは、コスパがいい種で自分自身を慣らしていくといいですよ。
例えば、サニーレタスは種自体が安いうえに数が多く、長期的に収穫できてコスパが高いのでおすすめです▼
種まきで「もったいない」はご法度!説明書通りに複数粒まいて
種を数粒まくことに、もったいないと思う気持ちはよく分かります。しかし、種をまいても確実に発芽し大きくなるとは限らないので、備えとして多めにまくことは大切です。
複数粒といっても、何粒ずつまけばいいかは野菜によって異なります。種袋を確認し、きちんと説明書通りに種をまきましょう。
※家庭菜園は、人によってやり方が異なります。当サイトの内容は筆者の知識・経験に基づいたものであり、他の人のやり方や考え方が間違っていると指摘するものではありません。



