「家庭菜園を始めようと思うけど…土と水耕栽培、どっちでやろう?」
家庭菜園といえば土が基本でしたが、近年は水耕栽培の発展も著しく、どっちで育てようかと悩んでいる人は少なくないでしょう。
結論をいってしまいますが、どっちがいいではありません。それぞれ育て方もどう育つかも異なるので、ニーズに合った方を選ぶのが最適解です。そこで本記事では、土で育てるのと水耕栽培でどう違うのか、各育て方のメリット・デメリットを紹介します。どっちで育てようかと悩んでいる人は、ぜひ参考材料にしてください。

【執筆者】夏目ミノリ
山・畑持ちの元Webライター
地植え、プランター、水耕で作物を栽培中
| 自給自足しているもの |
|---|
| 薬味(しそ、ねぎ) 野菜全般 果物(レモン、ブルーベリーなど) ハーブ(ローズマリー、バジルなど) ※その他、夫実家の家庭菜園を手伝ったり所有している山から山菜やたけのこを収穫したりしています |
「家庭菜園をやってみたい」という気持ちを応援するために、手軽さ重視で家庭菜園情報を発信します。
ずばり!おいしさ重視なら「土」で手軽さ重視なら「水耕」

土と水耕、どっちもやっている筆者の意見としては、おいしく育てたいなら「土」、手軽に家庭菜園がしたいなら「水耕」です。
土の栽培は土壌内微生物のサポートを受けられます。微生物といえば、土の中の栄養を植物が吸収しやすい形にしてくれたり、栄養を運んでくれたりといった働きをする存在ですね。微生物のサポートがあることで野菜が元気に大きく育つので、葉や実がしっかりとした野菜・果物を育てやすいです。
一方、水耕栽培では微生物の力を借りられません。しかし、土作りの手間がなかったり虫がつきにくかったりするので、手軽さでいえば土の栽培に勝るでしょう。
さて、結論だけでも土と水耕のどっちで家庭菜園をやるか決めやすくなったと思いますが、実際にどれくらい差が出るものか気になりますよね。次章からは、実際に筆者が育てたものをお見せしながら、各育て方のメリット・デメリットを紹介します。
土で育てるメリット・デメリット

土で家庭菜園をすることのメリットとデメリットは、以下の通りです。
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 大きくおいしい野菜を育てやすい 葉物、根菜など幅広い野菜に対応できる おしゃれなプランターを置くとインテリア的におしゃれ | 土作りが大変 プランターだと場所をとる 地植えは天候に左右される 虫問題がある |
本来、野菜や果樹などの植物は土に根付くもの。土を使う家庭菜園は自然の形に添ったやり方なので、野菜や果物も元気に大きく育ちます。

例えば、こちらは筆者が育てた土栽培のバジルと水耕栽培のバジルです。どちらも3節くらいまで育ったところで撮影したのですが、明らかに土栽培の方が元気そうですよね。葉が大きく、しっかりとしている感じが写真からでも伝わってきます。一方、水耕は葉が小さく弱々しい印象です。
土栽培は外で、水耕栽培は室内で行ったのも育ち方に差が出た大きな要因でしょう。しかし、どんなに室内水耕の日当たり・風通しに配慮しても、土栽培以上の仕上がりにするのは困難です。

市販の野菜でも、水耕のもの(根にスポンジがついた状態で販売されているもの)は小ぶりなものが多いですよね
「シャキッとおいしい野菜が食べたい」「大きく立派に育てたい」…そんな人は、土で家庭菜園をするのがおすすめです。
ただし、土栽培は土作りの手間があったり、虫がつきやすかったりなどのデメリットもあります。「昔から土いじりをよくしていた」「虫が好き」といった人でない限り、少しハードルが高く感じられるかもしれません。
【土での栽培はこんな人におすすめ】
- シャキッとおいしい野菜を育てたい
- 自然なものを食べたい(肥料頼りの人工的な野菜は嫌)
- 農作業を楽しみながら育てたい
- おしゃれなプランターを使って楽しみたい
土で野菜作りがしたいけど、環境的に難しいという人は、「シェア畑」の利用がおすすめです。アドバイザーのサポートありで、初めてでも土で簡単に野菜を育てられますよ。無料見学できるので、ぜひ気軽に行ってみてください▼ ![]()
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水耕で育てるメリット・デメリット


水耕栽培のメリットとデメリットは、以下の通りです。
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 手が汚れにくい 土作りの手間がない 育った野菜がきれい | 育て方にコツがいる 育てられるものが限られる 土より育つのに時間がかかる 化学肥料で育てることになるので抵抗を持つ人も多い |
水耕栽培は、とにかく手軽にできるところが魅力です。水と肥料を合わせた培養液で野菜を育てるので、土で手が汚れることがなければ土作りの手間もありません。「野菜は作りたいけど、ネイルしてるし手を汚したくない…」という人にはぴったりの栽培方法ですね。
ただし、水耕栽培には難しい点が多々あります。


サニーレタスだと分かりやすいですね。サニーレタスは、十分な日照と適度な栄養によって葉が鮮やかな赤色に染まるといわれています。日照不足だったり栄養が多すぎたりすると、きれいな赤色にならないそうです。
写真を見ると一目瞭然。太陽の光を浴びて土から正しく栄養を吸収できている土栽培のサニーレタスは、葉がきれいな赤色に染まっています。しかし、水耕栽培は日照不足に加え肥料のコントロールがうまくできず、葉が緑のままです。
土であれば、野菜の生育を土壌内微生物がサポートしてくれます。しかし、水耕栽培は完全に人の手で栄養をコントロールしなければならないので、上手に育てるのは難易度が高めです。



筆者も、赤色に染まったサニーレタスを作ろうと何度か水耕栽培にチャレンジしていますが、未だに成功していません…
水耕栽培が手軽なのは確かですが、決して簡単なわけではありません。水耕栽培に挑戦するなら、難易度が低い野菜やリボベジから挑戦し、少しずつステップアップさせるのがおすすめです。
【水耕での栽培はこんな人におすすめ】
- 手を汚したくない人
- 土やプランターなどの用意が面倒くさい人
- 虫が苦手な人
何を重視するかで育て方を決めよう!
土で育てるか水耕で育てるか、それを決めるのは結局のところ好みです。土栽培と水耕栽培はまったくの別物で、どっちがいいと優劣をつけられるものではありません。各育て方のメリット・デメリットをチェックして、あなたの生活スタイルや好みに合った育て方を選びましょう。
「それでも決められない」と悩んでしまう場合は、ぜひ土栽培に挑戦してください。地植え、プランター、水耕のすべてを経験している筆者個人の意見としては、野菜がおいしそうに育つ土がおすすめです。プランターであれば室内やベランダでもできますし、「シェア畑」のようなレンタルサービスを利用する方法もあります。
自分で作った野菜のおいしさは格別です。何を重視したいかを明確にして、あなたに合った家庭菜園を楽しんでくださいね。



土か水耕か、どっちでやるか決まったら必要な道具をそろえていきましょう
畑(土)でやるなら▼
室内(土、水)でやるなら▼
※家庭菜園は、人によってやり方が異なります。当サイトの内容は筆者の知識・経験に基づいたものであり、他の人のやり方や考え方が間違っていると指摘するものではありません。



