「コーヒーかすは家庭菜園に使える」…そんな情報を得て、そのまま撒いてしまった人も少なくないでしょう。
しかし、コーヒー液を抽出した直後のかすをそのまま畑に撒くのはナンセンス。家庭菜園に活用するためには、適切な処理してからでなければなりません。
「まずい…!もう撒いてしまった…!」
そんな失敗をカバーできるように、本記事ではコーヒーかすをそのまま撒いてしまったときの対処法や、コーヒーかすを家庭菜園に活用するための正しい方法を紹介します。

【執筆者】夏目ミノリ
山・畑持ちの元Webライター
地植え、プランター、水耕で作物を栽培中
| 自給自足しているもの |
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| 薬味(しそ、ねぎ) 野菜全般 果物(レモン、ブルーベリーなど) ハーブ(ローズマリー、バジルなど) ※その他、夫実家の家庭菜園を手伝ったり所有している山から山菜やたけのこを収穫したりしています |
「家庭菜園をやってみたい」という気持ちを応援するために、手軽さ重視で家庭菜園情報を発信します。
コーヒーかすをそのまま撒いてしまったらダメな理由3つ

家庭菜園でコーヒーかすを利用する場合は、乾燥させるのが絶対条件です。なぜコーヒー液抽出後のかすをそのまま撒いてはいけないのか、具体的な理由3つを解説します。
理由1. カビが生える
コーヒーかすは水分を多く含んでいるので、そのまま撒いて放置しているとカビが生えます。衛生面に不安があることから、コーヒーかすが湿っている状態で庭や畑にまくのはおすすめできません。
しかし、家庭菜園におけるカビの解釈は人によってさまざまなので、一概にNGといえないのも実情です。「不衛生だ」という声がある一方で、「白カビは順調に発酵している証拠」「土壌にいる菌の方が強いから、混ぜ込んじゃえばOK」という声もあります。
コーヒーかすに生えるカビに対して、プラスと取るかマイナスと取るかは人それぞれですが、カビが生える可能性を秘めていることは覚えておきましょう。
理由2. 虫が寄ってくる
コーヒーかすは、一般的な生ごみと同じです。庭や畑にまくと、コーヒーのにおいに誘われて虫が寄ってくることがあります。
家庭菜園に虫はつきものといっても、虫が寄ってくるのは気持ちがいいものではありませんよね。庭や畑ならまだしも、ベランダ菜園の場合はご近所トラブルにもなりかねません。
家庭菜園にコーヒーかすを活用するなら、虫が来ないようにきちんと処理する必要があります。
理由3. 土壌のpHバランスが崩れる
コーヒーには酸性の成分が含まれており、土の上に撒くことで酸性に偏りやすくなります。
…といっても、中性に近い酸性なので、少量であればほとんど心配はいりません。しかし、小さいプランターや小規模の畑にドサッとコーヒーかすを撒くようなことをすると、土壌のpHバランスが崩れることがあります。土壌の変化によって、作物が生育不良を起こすおそれもあるでしょう。
コーヒーかすをそのまま撒いてしまった!対処法は「堆肥化」

コーヒーかすをそのまま撒いてしまったのであれば、早急に回収したいものです。しかし、コーヒーかすは土に酷似しているので、実際のところ回収は難しいでしょう。土に混ぜ込んでいればなおさら、回収はほぼ不可能です。
撒いてしまったものはどうしようもないので、できるだけ早く堆肥化させちゃいましょう!堆肥にすれば、もう生ごみではありません。カビが生えたり虫が寄ってきたりといった弊害がなくなるので、安心して家庭菜園を継続できます。
コーヒーかすを堆肥化させる手順を簡単にお伝えしますね。
【コーヒーかすを堆肥化させる手順】
- コーヒーかすを撒いたあたりに米ぬかを撒く
- 土、コーヒーかす、米ぬかを一緒に混ぜ込み、水をかける
コーヒーかすだけでは、分解・発酵に時間がかかります。のんびりしていると、堆肥になる前にカビや虫が来るかもしれません。

そんなときに便利なのが「米ぬか」です!
米ぬかは栄養が豊富で微生物もよく増えるので、土に混ぜると有機物の分解スピードが上がります。分解には水が必要なので、土を混ぜた後は水をかけてあげてくださいね。
また、米ぬかについている菌は酸素が大好きです。定期的に土を混ぜて空気を含ませてあげると、菌がしっかり働いてくれますよ。
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「米ぬかをわざわざ買うのはなぁ…」「定期的に土を混ぜるのが面倒くさい」…そんな人は、土壌改良資材を使うといいでしょう。「超カルス」なら土に混ぜるだけでOKなので、多少手間が省けて便利ですよ▼
家庭菜園でコーヒーかすを利用する正しい方法


「コーヒーかすを処理するのが面倒くさいから、そのまま撒いちゃえ!」
そうしてラクを選ぶことで、カビや虫の心配が生じたり急いで堆肥化しなければならなかったり、余計に面倒な結果を招きます。それなら、最初からコーヒーかすをきちんと使える状態に処理してから撒いた方がいいですよね。
そこで、コーヒーかすの正しい使い方を紹介します。そのまま撒いてしまった経験がある人は、再発防止もかねてチェックしておきましょう。
正しい方法1. 十分に乾燥させる
コーヒーかすだけ土に撒く場合も、堆肥にする場合も、必ずしっかり乾燥させてから使いましょう。
水分を多く含んでいる状態のコーヒーかすは、残飯などの生ごみと同じです。そのまま撒くのは不衛生なので、カラカラに乾かしてください。
【コーヒーかすを乾燥させる方法の例】
- バットに広げて自然乾燥させる
- 電子レンジで温める
- フライパンで加熱する
「乾燥させるのが面倒くさい」「広げておくような場所もない」という人は、家庭用生ごみ処理機を使いましょう。コーヒーかすを簡単に堆肥化できますよ。
正しい方法2. 適量を見極める
コーヒーかすを使用する際は、量にも気をつけなければなりません。土に大量投入すると、以下のような弊害が生じる可能性があります。
【コーヒーかす大量投入のリスク】
- 植物の根を傷める
- 土壌pHが酸性に偏る
- 窒素不足になって植物の生育が阻害される
コーヒーかすには、カフェインやポリフェノールといった刺激物質が含まれているため、植物の生育阻害につながります。畑に直接コーヒーかすを撒く場合は、使用量に注意しなければなりません。
ただし、上記のリスクはコーヒーかすのみを使用した場合のものです。堆肥化していれば、カフェインやポリフェノールといった刺激物質がある程度取り除けているので、安心して使えますよ。
土壌pHの偏りが心配な人は測定器を使いましょう!こちらは、デジタル表示で見やすくておすすめですよ▼
コーヒーかすをそのまま撒いてしまったら素早く対処を!
そのまま撒いてしまったコーヒーかすを放置していると、カビが生えたり虫が寄ってきたり、さまざまな問題につながります。コーヒーかすを家庭菜園に利用する際は、必ず乾燥させてから使いましょう。
もしもコーヒーかすをそのまま撒いてしまった場合は、堆肥化させるのがおすすめです。米ぬかを混ぜてコーヒーかすを進化させることで、畑にやさしい資材になります。「もう撒いてしまったから」と放置せず、堆肥化で畑に害のない状態にしましょう。
※家庭菜園は、人によってやり方が異なります。当サイトの内容は筆者の知識・経験に基づいたものであり、他の人のやり方や考え方が間違っていると指摘するものではありません。




