ほかの品種に比べて、ビタミンCが豊富な「さちのか」。一季なりの品種で、栽培すれば春にはおいしい天然サプリメントを堪能できます。
「でも、どうやって育てたらいいの?」
育ててみたいけど、育て方が分からない…そんな人に向けて、本記事ではプランターでできるさちのかの育て方を紹介します。

【執筆者】夏目ミノリ
山・畑持ちの元Webライター
地植え、プランター、水耕で作物を栽培中
| 自給自足しているもの |
|---|
| 薬味(しそ、ねぎ) 野菜全般 果物(レモン、ブルーベリー、アンズなど) ハーブ(ローズマリー、バジルなど) ※その他、夫実家の家庭菜園を手伝ったり所有している山から山菜やたけのこを収穫したりしています |
「家庭菜園をやってみたい」という気持ちを応援するために、手軽さ重視で家庭菜園情報を発信します。
さちのかのプランター栽培に必要なもの

さちのかをプランターで育てる前に、以下のものを用意しましょう。
【さちのかのプランター栽培に必要なもの】
- さちのかの苗
- プランター
- 土
- ネット
- 支柱
- ジョウロ/ホース
各道具について、詳しく解説します。
1. さちのかの苗

さちのかの苗は、ホームセンターで購入できます。筆者も近所のホームセンターでゲットしましたよ。
しかし、ホームセンターによって取り扱い品種が異なるので、すべての店舗にさちのかの苗があるとは限りません。確実にゲットしたい人は、通販で購入することをおすすめします。
こちらから好きな苗が3種類選べるので、さちのかを選んで購入してください▼
2. プランター
さちのかの苗を植え付けるために、プランターを用意しましょう。
プランターは、深さ20cm以上のものであれば基本的に何でも大丈夫です。ほかの野菜にも使える長方形プランターはもちろん、いちご専用デザインのポットもあります。筆者は長方形プランターを使っていますが、好みに合ったものを用意してくださいね。
いちごは葉が大きく広がるので、筆者のように複数株植える場合は、しっかりと株間がとれる大型プランターがおすすめです▼
3. 土

いちごは、アルカリ性寄りの土と相性がいいです。野菜用の培養土だけでも大丈夫ですが、余力があれば少し灰を混ぜてあげてください。
培養土は、自然素材を使っていて安全性が高いカネアの「金の土」がおすすめです▼
筆者は木灰をよく使います。通販で簡単に入手できますよ▼

ちなみに、筆者はさちのか栽培に手作り培養土を使っています。プランターの底に小石を敷き、上にオリジナルブレンドの土を入れるという内容です。
基本的に、筆者は鉢底に何かを敷くことはしません。しかし、いちごは栽培期間が長いので、湿気がたまらないように小石を敷いています。
土は、ピートモスと腐葉土で調整した山・畑の土がベースです。水はけがよくなるように銀の土ともみ殻くん炭を、pH調整に木灰を、肥料分として堆肥を入れています。
オリジナルの土作りは少し手間がかかるので、ハードルが高いと感じてしまう人もいるでしょう。しかし、土からこだわると作物への愛情がより一層強くなります。興味がある人は、ぜひ筆者の土を参考に培養土作りから挑戦してみてください。
【土作りの材料】
堆肥は、生ごみで手作りするのがおすすめです。栄養たっぷりで肥料なしでもしっかり育ちますよ。生ごみ処理機を使えば簡単に手作り堆肥ができるので、ぜひチャレンジしてみてください▼
4. ネット
いちごは、害虫・害獣に狙われやすいので、屋外で育てるならネットが必要です。プランター全体を覆えるように、大きめのネットを用意しておきましょう。
こちらの防虫ネットには、害虫が嫌がるシルバーラインが入っています。サイズも大きいので、好きな大きさにカットしながら使えて便利ですよ▼
5. 支柱
ネットをかける際は、支柱が必要です。筆者はその辺に落ちていた小枝を使いましたが、ちょうどいい棒がない場合は支柱を購入してください。
いちごは背丈が高くなる野菜ではないので、支柱もコンパクトなもので大丈夫です▼
6. ジョウロ/ホース
プランター栽培には水やりが必要です。ジョウロでもいいですが、個人的にはホースをおすすめします。
いちごによくつく害虫といえば「アブラムシ」。ホースがあれば、少し強めの水圧に設定することでアブラムシを洗い流せます。水やりをしつつアブラムシ駆除もできて一石二鳥なので、どちらにするか悩んでいる人は、ホースを検討してみてください。
ジョウロは散水がやわらかくて使いやすいトンボじょうろがおすすめです▼
栽培量が多い場合は、ホースの方が便利です。タカギのホース(6水形ノズル装着)なら、いろんな水の出し方ができて便利に使えますよ▼
【プランター栽培】さちのかの育て方

プランターでさちのかを育てるときの手順は、以下の通りです。
【プランターさちのかの栽培手順】
- 植え付け
- 防寒対策
- 受粉
- 葉かき
- 摘果
- ネットがけ
さちのかをはじめ、いちご栽培では多くのお手入れが必要です。防寒対策、受粉、葉かき、摘果…手順が多すぎて「難しそう…」と思う人もいることでしょう。
確かに、お手入れの内容は多いです。しかし、手間がかかるだけで栽培難易度はさほど高くないので、初めての人でも育てられますよ。
ここからは、筆者の栽培記録をもとにさちのかの育て方を解説します。植え付けから収穫までの流れが一貫して分かるので、ぜひ参考にしてくださいね。
植え付け(10月16日)

まず、土を用意します。
一季なりいちごの栽培スケジュールは、秋植え春収穫が基本です。約半年もの間お世話を続けなければならないので、長期的にプランター内の通気性を維持できるように、底に敷物をしましょう。筆者は、山や畑の土をふるいにかけ、残った小石を底に敷きました。

みなさんも、鉢底石、腐葉土、ココチップなど、物理的に通気性を維持できそうなものを敷いてくださいね


土に穴を掘り、さちのかの苗を植え付けます。複数株植える場合は、株同士の間隔が15~20cmくらいあくように意識しましょう。
ポットの土は崩さず植えるのが無難です。穴に苗を入れて土をかぶせたら、根付きをよくするために根元の土を軽く押さえます。


いちご苗の植え付けには、2つのポイントがあります。
まず、クラウンを埋めないことです。クラウンとは、苗の根元にあるギザギザした部分のことで、いちごの生育をコントロールする役割を担います。成長点(生長点)もあるので、植え付けの際に土に埋まらないように気をつけましょう。
そして、ランナーの向きも重要です。ランナーとは、親株から伸びる細い茎のことで、ランナーが伸びることでいちごの子株、孫株ができます。いわゆるいちごの繁殖器官ですね。
いちごの苗には、ランナーを切った痕跡があります。この古いランナーの向きがごちゃごちゃの状態で植えてしまうと、いろんな方向にいちごの果実ができてお世話が大変です。まずプランターの正面を決め、古いランナーが後ろに来るように植え付けましょう。そうすることで、花や果実がつく向きがプランター正面に統一され、お世話がしやすくなります。


苗を植え付けたら、水やりをして日当たりがいい場所に置いておきます。
本来、植え付け直後は乾燥を防ぐためにプランターを日陰に置くものです。しかし、さちのかを植え付けるのは秋。乾燥を心配しなければならないほど日差しが強い時期ではないので、すぐ日なたに置いても大丈夫ですよ。
4日目


栽培開始4日目。苗から花とランナーが出ていました。
苗の生育が順調だと、栽培期間中に何度か花やランナーが出てきます。しかし、花が必要なのは3~4月、ランナーが必要なのは収穫を終えてからです。不要な時期に花とランナーが育っても仕方がないので、見つけしだい切り落としましょう。



放置していると、花やランナーに栄養がまわってしまいます
栄養を無駄にしないためにも、早めに対処してくださいね
11日目


寒さを感じる日が増えてきたので、株元に藁を敷きました。
さちのかだけでなく、基本的にいちごは耐寒性が高い野菜です。-15℃でも枯れないといわれているので、屋外で越冬させられますし、特別な防寒対策も必要ありません。
しかし、急激な温度変化には弱い傾向があります。本格的な冬を迎える前に、藁を敷いたり寒冷紗をかけたりして、少しずつ寒さに慣らしてあげましょう。
藁は通販で購入できます。カネアは放射線検査をしているので、安心して使えますよ▼
40日目


栽培開始40日目。防寒対策第2弾として、ネットをかけました。
このときは11月後半で、害虫の心配はほとんどありませんでしたが、「虫を防ぎつつ雪が当たるのも防げたらいいな」と思いまして。


葉が増えて、とても元気そうです。
122日目


栽培開始122日目。まだまだ寒い2月中旬です。
本格的に寒くなると、いちごは休眠します。成長がゆるやかになるので、栽培開始40日目からあまり育っていません。寒さに耐えるように、葉がぺたっと低い位置で広がっています。



この状態を「ロゼット」といいます
冬に葉を低くして、冷たい風や雪の影響を受けにくくしているそうです
131日目


春と勘違いするほど暖かい日も出てきた2月後半。よく見ると、元気がない葉や枯れた葉がいくつかありました。
状態が悪い葉をそのままにしていると、病害虫の原因となります。株を守るためにも、不要な葉はしっかりとりましょう。


葉の裏には、アブラムシがたくさんついていました。堆肥の量が多かったのでしょうか…肥料を使っていないのに、茎や葉にアブラムシがぎっしり…。数が多かったので、ホースの水圧でアブラムシを落とし、嫌がらせとしてアルミホイルを敷きました。
アブラムシはキラキラ光るものが苦手らしく、家庭菜園のアブラムシ対策でアルミホイルがしばしば登場します。本当に効果があるかは分かりませんが、無農薬栽培なので使えるものを試していくしかありません。



農薬を使いたくない人は、ぜひやってみてください
137日目


栽培開始137日目。3月に入り、葉が少しずつ立ち上がってきました。さちのかが活動を始めた合図です。これくらいからは、花がついても切らずに置いておきましょう。ランナーは、引き続き見つけしだいカットしてくださいね。
147日目


栽培147日目には、花がちらほら咲き始めました。受粉できるように、ネットをはずして虫たちが働いてくれるのを待ちます。
室内栽培は虫の力を借りられないので、人工授粉をしましょう。やり方は、綿棒や筆でおしべの花粉をとり、中央のめしべ全体になでつけるだけです。
花粉はほとんど目に見えません。本当に花粉がとれているか不安になって、何度もおしべを触ったり綿棒を持つ手に力が入ったりする人もいます(※筆者です)。刺激を与えすぎるとおしべがポロッと落ちてしまうので、触るときは優しくすることを意識してくださいね。
163日目


果実がなるのを待っている間も、いちごのケアは欠かせません。
春になると、株からどんどん葉が出てきます。しかし、葉が多すぎると果実に栄養が行きにくくなるので、適度に葉を取り除く「葉かき」が必要です。
葉かきでは、以下のような葉を優先的にとって枚数を減らします。
- 枯れている葉
- 病気にかかっている葉
- 古い葉(株の外側にある葉)
- 乾燥している葉(葉を折り曲げるとパキパキ割れる葉)
ハサミで葉を切り落とすと、中途半端な茎がたくさん残ってカッコ悪いので、根元からとってください。茎を左右に動かすと、根元からペリッととれますよ。



残す葉の枚数は人によってさまざまですが、個人的には7~8枚くらいあったらいいかなと思いながら葉かきをしています
176日目


栽培開始176日目、少しずつ果実が膨らんてきました。


なかには、うまく受粉できなかったものや、果実が小さすぎて収穫が期待できないものもありました。そうしたものは、大きくなる果実に栄養をまわすために、早々に除去しちゃいましょう。



この作業を「摘果」といいます
ちなみに…写真にはハサミが写っていますが、いちごを収穫するときと同じ要領でヘタ元を手でプチッとちぎっても大丈夫ですよ。
185日目


栽培開始185日目、果実がほんのり赤く色づいてきました。そのまま置いていると、鳥やタヌキなどに狙われるおそれがあるので、再びネットをかけます。
193日目


栽培開始193日目、いくつかの果実が収穫できる状態になりました。果実全体が赤く染まり、表面がぷっくりツヤツヤに。
ほかの果実も、時間差で赤く染まっていきます。毎日様子を見て、収穫できるようになったものから順次収穫していってください。
プランターでさちのかを上手に育てるコツ


さちのかを栽培してみた筆者が、自身の経験から上手に育てるコツを紹介します。
【プランターさちのかを上手に育てるコツ】
- お世話の流れをつかむ
- 花とランナーを随時カットする
- こだわりすぎない
- 室内栽培は環境をしっかり整える
お世話の流れをきちんと把握することが、さちのか栽培を成功させる第一歩です。
さちのかをはじめ、いちご栽培は時期に合わせてお世話をする必要があります。防寒、受粉、葉かき…どれも欠かせません。本記事を見れば、植え付けから収穫までの流れが分かります。さちのかのプランター栽培に挑戦する際は、本記事をブックマークして、お世話の流れを確認しながら育ててください。
忘れがちなのが花とランナーの処理です。花は3~4月、ランナーは収穫後まで不要なので、時期外れの花・ランナーは随時カットしましょう。放置していると栄養を無駄にしてしまいますよ。


そして、個人的に一番重要だと思っているのが「こだわりすぎないこと」です。
いちごを作るとなると、どうしても「たくさん実らせたい」「甘い果実を育てたい」と思ってしまいますよね。気持ちは分かりますが、初心者さんがいきなりいちごのクオリティを求めると、栽培に失敗するおそれがあります。
まず大切なのは、基本を守ることです。いちごが育つしくみ、お手入れのやり方などを理解してから、いちごの質を上げる育て方にチャレンジしましょう。


最後に、さちのかを室内で育てる場合のポイントです。室内栽培は、日照不足になったり風通しが悪くなったりする傾向にあります。さちのかを栽培するうえで、決していい環境とはいえません。
どうしても室内で育てたい場合は、さちのかが元気に育つような環境を整えましょう。例えば、日照不足をカバーするために植物育成ライトを、風通しを確保するためにサーキュレーターを設置するのがおすすめです。
HaruDesignの「GL-BOARD3400 PRO」は、パワーがあっておすすめです▼
「STREAM 1800F
栄養たっぷりのおいしい果実を楽しもう!
一季なり品種のさちのかは、秋に植えれば春に収穫できます。育て方もいたってシンプルで、受粉、葉かき、摘果などの基本的なお世話をすれば、しっかり育ってくれますよ。
ビタミンCをたっぷり含んでいるので、甘くておいしいだけでなく栄養面でも魅力的です。ぜひ、プランターで気軽に育ててみてください。
※家庭菜園は、人によってやり方が異なります。当サイトの内容は筆者の知識・経験に基づいたものであり、他の人のやり方や考え方が間違っていると指摘するものではありません。





