スナップエンドウは、基本的に春まきか秋まきです。しかし、幸姫という品種には耐暑性があるので、まだ暑い8月下旬~9月上旬でも育てられます。
早生で、夏にまけば秋には収穫可能。甘さが強いことから「フルーツスナップ」とも呼ばれている人気の品種ですよ。
本記事では、スナップエンドウ(幸姫)の育て方を紹介します。種から育苗し、畑に植え付け、収穫する…その一連の流れがまるっと分かるので、初めての人もぜひ参考にしてくださいね。
幸姫を栽培する前にスケジュールを確認しておきましょう▼
※幸姫は春まき・夏まき・秋冬まきできます。本記事では夏まきした筆者の栽培記録を紹介するので、ほかの時期と栽培期間やお世話方法が異なる場合もありますが、基本的な育て方は同じです。

【執筆者】夏目ミノリ
山・畑持ちの元Webライター
地植え、プランター、水耕で作物を栽培中
| 自給自足しているもの |
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| 薬味(しそ、ねぎ) 野菜全般 果物(レモン、ブルーベリーなど) ハーブ(ローズマリー、バジルなど) ※その他、夫実家の家庭菜園を手伝ったり所有している山から山菜やたけのこを収穫したりしています |
「家庭菜園をやってみたい」という気持ちを応援するために、手軽さ重視で家庭菜園情報を発信します。
スナップエンドウ(幸姫)栽培で必要なもの

幸姫を地植えで育てる際に必要なものは、以下の7つです。
【スナップエンドウ(幸姫)栽培に必要なもの】
- スナップエンドウ(幸姫)の種
- 土
- 育苗ポット
- トレイ
- 支柱
- 麻紐
- ジョウロ/ホース
各道具・資材について、詳しく紹介します。
1. スナップエンドウ(幸姫)の種
幸姫の種は、赤字にピンクのラインが引かれたパッケージで販売されています。「藤姫」という品種のパッケージデザインに少し似ているので、間違えないように気をつけてくださいね。
2. 土

幸姫の地植えは、ポットで育苗してから畑に定植するのがおすすめです。土作りの際は、育苗用と畑の2種類を用意しましょう。
有機の土で育てたい場合はこちらを参考にしてください▼
土作りをラクに終わらせたい人には、あれこれ混ぜる手間がない野菜用の培養土がおすすめです。▼
3. 育苗ポット

育苗するためにはポットが必要です。画像ではポットの底に鉢底ネットを敷いていますが、なくても大丈夫ですよ。
4. トレイ

トレイがあると、ポットを持ち運びやすくなって便利です。育った苗はいずれ畑に定植するので、ポットの移動効率を上げるためにトレイを持っておきましょう。
5. 支柱

幸姫はつるが伸びるので、支柱が必要です。我が家は細い竹で代用していますが、ちょうどいい棒がない場合は支柱を購入しておいてください。
6. 麻紐
つるを支柱に誘引する際に麻紐を使います。家庭菜園ではよく使うアイテムなので、持っていない人は購入しておきましょう。
我が家はこちらの麻紐を使っています。無難に使えておすすめです▼
7. ジョウロ/ホース
地植えは基本的に水やり不要ですが、育苗中や雨が少ない場合は水やりが必要です。ジョウロやホースなど、ご家庭に合った水やり方法を用意しておいてください。
小規模の家庭菜園であれば、ジョウロでも十分です▼
畑まで少し距離があったり範囲が広かったりする場合は、ホースを使うのがおすすめです。筆者宅ではこちらを愛用しています▼
「地植えはいろいろ準備するものが多くて面倒くさそう…」と思ってしまう人には「シェア畑」がおすすめです。畑、資材、道具をすべてレンタルできるので、準備にハードルの高さを感じている人も気軽に地植えに挑戦できますよ▼ ![]()
スナップエンドウ(幸姫)の育て方

地植えスナップエンドウ(幸姫)の育て方を簡単にまとめると、以下の通りです。
【スナップエンドウ(幸姫)の栽培手順】
- 種まき(育苗)
- 定植
- 支柱立て
- 収穫
ここから幸姫の育て方について、写真付きで詳しく紹介します。
種まき(8月30日)

ポットに土を入れ、穴を2つずつ開けます。穴の深さは2cmくらいを目安にしてください。

幸姫の種をまきます。1ポットに2つの穴を開けているので、うまく発芽すれば1ポットで2本の苗ができることになりますね。「なんで1ポットに1粒じゃダメなの?」と気になった人は、下記の記事をチェックしてください。
スナップエンドウは、畑に直播できます。しかし、夏から秋は虫が発生しやすく、季節の変わり目であることから気候も不安定です。強い苗を作ってから畑に植えた方が安定した成長が期待できるので、育苗してから定植することをおすすめします。

ちなみに、筆者宅も直播にチャレンジしましたが見事に全滅しました


種をまき終えたら土をかけていきます。土をかぶせた後は、種が乾燥しないように手でしっかり土を押さえましょう。土と種を密着させることで、種の乾燥が防げます。


最後にたっぷり水をかけます。水圧が強いと土がへこんで種が露出したり動いたりするので、できるだけ優しく水をかけてあげましょう。



タカギのホースノズルには「ミスト」があります
種に優しい水やりができるので、おすすめですよ
商品は道具紹介のところをチェックしてください
水やりを終えたら、日陰に置いておいて完了です。
育苗中は、土が乾かないように適宜水やりをしながらお世話をします。ただし、豆系は水をやりすぎると種が腐るので、水の与えすぎにも気をつけてくださいね。
4日目


種まきから4日目、芽が出てきました。緑の葉はまだ見えませんが、土の表面がもこもこっと盛り上がっているところが芽です。
6日目


さらに2日後、しっかり芽が出てきました。種を深めに植えたおかげか、種の皮がついてくることなくしっかり緑の部分だけが顔を出しています。
16日目


苗がしっかり育ったので、畑に植えます。畝の作り方は下記の記事で紹介しているので、こちらを参考に定植までに畝を用意しておいてください。


ポットから出ている2本の苗のうち、元気そうな方だけを残してもう1本はカットします。そして、スコップで畝の表面を軽くほぐし、穴を開けて苗を土ごとイン。
苗と苗の間隔は、大体15cm前後あれば大丈夫です。


土をかぶせて、根が畑に定着するようにしっかり土を押さえます。
基本的に、地植えは水やり不要です。しかし、根が土の中に張っていない状態では幸姫が自力で水を吸い上げられないので、定植直後は水やりをしてください。
25日目


苗の近くに支柱をさし、麻紐で苗と支柱を固定します。支柱を立てておくことで、幸姫のつるが支柱に絡みつき上へ上へと伸びていくようになりますよ。



ギュッとくくりつけると苗を傷つけてしまうので、やさしく結び付けてあげてくださいね
33日目


種まきから1ヶ月が経ったころ、白くかわいい花が咲き始めました。
46日目


花が咲いてから数日後、ぷりっと小ぶりな実がつき始めました。すぐに食べたい人は、この状態でも収穫OKです。
51日目


プラス5日ほど収穫を待つと、グッと大きくなりました。写真のように、手の幅くらいのサイズになったら収穫しちゃいましょう。
スナップエンドウ(幸姫)栽培の成功のコツ


幸姫は、比較的病害虫に強い品種です。おまけに根が強く生育旺盛なので、育てやすくておすすめですよ。これから挑戦しようと検討している人に向けて、幸姫を栽培するコツをお伝えします。
【スナップエンドウ(幸姫)を上手に育てるコツ】
- 種まきの時期を早めない
- 直播ではなく育苗してから畑に植える
- 必ず支柱を立てて誘引してあげる
幸姫は耐暑性がある品種ですが、8月下旬の暑さが限界だといわれています。「夏まきができるなら、7月くらいで植えちゃえ!」と種まきの時期を早めないように気をつけましょう。
そして、種は畑に直接まくより育苗がおすすめです。直播には、「苗が育っていない状態は虫の被害に遭いやすい」「土との相性が分からない(うまく発芽するか分からない)」といった懸念があります。丈夫な苗を育ててから畑に移した方が、成功率はグッと上がりますよ。
直播した我が家の幸姫は全部枯れました(原因不明)▼


順調に大きくなってきたら、必ず支柱を立ててあげてください。幸姫はつるあり品種なので、支柱を使ってあげると安定して育ちます。大きく育てて、シャキッと甘いスナップエンドウを楽しみましょう。
秋の種まきシーズンを待つくらいなら「幸姫」をまこう!
基本的に、野菜の種まきは春か秋です。夏にまけるものは少ないので、「秋まで待機」と暇を持て余している人もいるでしょう。
しかし、幸姫であれば8月下旬でも種まきできます。そのうえ、秋まきの野菜を育てている間に幸姫の収穫時期を迎えるので、時間を有効活用できる意味でもおすすめです。本記事の育て方を参考に、ぜひ幸姫の栽培にチャレンジしてみてくださいね。
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