一般的に「生育旺盛だ」といわれるローズマリーが、なぜか大きくならない…不安になりますよね。そこで本記事では、ローズマリーが大きくならない原因を紹介します。
各原因とセットで対処法もお伝えするので、できそうなものからどんどん対処していきましょう。

【執筆者】夏目ミノリ
山・畑持ちの元Webライター
地植え、プランター、水耕で作物を栽培中
| 自給自足しているもの |
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| 薬味(しそ、ねぎ) 野菜全般 果物(レモン、ブルーベリーなど) ハーブ(ローズマリー、バジルなど) ※その他、夫実家の家庭菜園を手伝ったり所有している山から山菜やたけのこを収穫したりしています |
「家庭菜園をやってみたい」という気持ちを応援するために、手軽さ重視で家庭菜園情報を発信します。
ローズマリーが大きくならない原因・対処法

ローズマリーは強いハーブなので、基本を守ればしっかり大きくなってくれるはずです。なぜ大きくならないのか、ここで原因を明確にしていきましょう。

あてはまる原因があれば、対処法も併せてチェックしてください
原因1. 結果を急ぎすぎている


ローズマリーが大きくならないというよりは、あなたが思っている成長速度と実際が合っていないだけの可能性があります。
ローズマリーは木なので、野菜ほど成長速度が速くありません。条件がそろっている環境下でも、大きくなるまでに数ヶ月、あるいは年単位で時間がかかります。野菜のように2~3日で芽が出たり葉が大きくなったりといった目に見える変化が少ないので、「大きくならない」「成長しない」と感じてしまうのかもしれません。
しかし、栽培環境が良好であればローズマリーはゆっくりでも大きくなります。ローズマリーの栽培を始めて日が浅い場合は、これから大きくなるのだとゆったりとした気持ちで見守ってあげてください。
- 野菜ほど成長速度が速くないと理解する
- もう少し様子を見る
原因2. 生育適温でない


ローズマリーの生育適温でないことも、大きくならない原因のひとつですね。
ローズマリーが快適に育つ温度は15~25度、季節でいうと春と秋です。耐暑性があるので夏も育ちますが、日本の夏は暑いだけでなく湿度も高いので、高温多湿で思うように育たないことがあります。


一例がこちら。ベニフキノメイガの被害に遭ってガッツリ葉を切り落とした夏のローズマリーです。新芽が出てきているものの枝が伸びていないので、「大きくなっている」とはいいがたいですよね。



暑さに強いハーブといっても、日本は多湿気味で海外のように乾燥した暑さではありません
暑さの質が違うので、夏でもローズマリーが育たなかったり枯れたりすることがあります


一方、こちらは挿し木を鉢上げしたローズマリーです。左が10月上旬、右が10月下旬。涼しい時期に入ってからは、1ヶ月もしないうちにぐんぐん大きくなりました。
ローズマリーの成長速度は、季節や環境によって異なります。大きくならないと悩んでいる人は、温度管理をしっかりやってみてください。
- 暑すぎるときは日陰に移動させる
- 寒くなってきたら防寒対策をしたり室内に入れたりする
- 周囲に湿気がこもらないよう風通しのいい場所で育てる
- 「生育適温外は成長速度が緩やかになる」と理解する
我が家はこちらの温湿度計を設置しています。屋外・屋内の温度と湿度を一目で把握できて便利ですよ。
屋外と屋内の両方を表示するためには、本体である温湿度計プロだけでなく防水温湿度計も必要です。セット売りはAmazonでしか見つけられなかったので、楽天やYahooで購入する場合は単品でそれぞれ購入してください(ハブも加えた3点セットならあります)▼
原因3. 水はけが悪い


水はけが悪く多湿な環境だと、ローズマリーの根が腐って大きくならないことがあります。
ローズマリーは乾燥気味な環境を好むハーブです。湿気にはめっぽう弱く、雨続きの時期や水のやりすぎでローズマリーを枯らしてしまう人も少なくありません。
ローズマリーが力強く育つためには、できるだけ湿気をためないことが重要です。水やりは控えればいいことですが、天気はどうしようもないので、土を水はけがいいものにしてしっかり湿気対策をしてあげてください。
- 水はけのいい土に替える
- 水やりを控える
- 雨で水浸しにならないようにする(屋根をつける、軒下に移動させるなど)
筆者宅の土は水はけがとてもいいので、土作りの参考にしてください▼
原因4. 日光が足りていない


日照不足も、ローズマリーが大きくならない原因です。
ローズマリーはお日様が大好き。しっかりと光を浴びることで、上へ上へと伸びていきます。真夏の蒸れ対策で日陰に移動させた方がいいときもありますが、基本的には日当たりがいい場所に置いてあげたいハーブです。
もしも室内栽培、日陰栽培、曇りの日が続いているといった環境では、ローズマリーは満足しません。日照不足かもと思う場合は、日当たりを十分に確保してあげましょう。
- 日当たりがいい場所に置いてあげる
- 育成ライトで日照不足をカバーする
害虫対策として、筆者はローズマリーを室内で栽培しています。室内の日当たりが十分でないときは、Brim(ブリム)の「FLORA」で日照不足をカバーしていますよ▼
原因5. 摘心・剪定していない


摘心や剪定など、木本体のお手入れを怠るとローズマリーは大きくなりません。
ローズマリーには、先端を軽くカットして脇芽の成長を促す「摘心」と、不要な枝をカットして風通しをよくする「剪定」が必要です。ローズマリーをお手入れしてあげることで、生育環境がよくなり気持ちよさそうに枝を伸ばしていきます。
ほったらかしでも環境さえよければ元気に育つローズマリーですが、大きく育てたいなら定期的にケアしてあげましょう。
- 適宜摘心をしながら収穫する
- 春と秋に剪定して樹形を整える
剪定バサミは、刃先が鋭く細かなケアができるこちらがおすすめです▼
原因6. 大きくならない品種を育てている


ひとくちにローズマリーといっても、種類によって育ち方や大きさはさまざまです。なかにはコンパクトな品種もあり、上手に育てても大きくならない場合があります。
【コンパクトな品種の例】
- ブルーボーイ
- サンタバーバラ
- プロストラータス
ブルーボーイやサンタバーバラは、ローズマリーのなかでもコンパクトな品種として有名です。プロストラータスは大きくなるのですが、地を這うように成長する匍匐性(ほふくせい)で背が高くならないことから「大きくならない」と感じられることがあります。
大きく立派なローズマリーを育てたい場合は、大型品種や上に伸びる立性(たちせい)のローズマリーを選ぶといいですよ。
トスカナブルーは立性の代表品種です。大きく育ち料理にも使える便利な子なので、ぜひ育ててみてください▼
ローズマリーが大きくならないときは育て方の見直しを!
ローズマリーが大きくならない原因には、生育環境の悪さや品種の問題などがあります。品種のことは購入してから悩んでもしかたがありませんが、生育環境に関してはいつでも修正可能です。
「大きく元気に育ててあげたい!」…そんなあなたの愛情に、ローズマリーもきっと応えてくれるはず。はたして今の生育環境がローズマリーにとっていいかどうか、今一度見直してみてください。
※家庭菜園は、人によってやり方が異なります。当サイトの内容は筆者の知識・経験に基づいたものであり、他の人のやり方や考え方が間違っていると指摘するものではありません。



