「ホームセンターで苗木を買ってはいけない」…そんな声を耳にしたことがあります。果樹栽培初心者さんであれば、きっと驚くことでしょう。
実は筆者もホームセンターで苗木を購入しない派です。もっといえば、専門店でない通販サイト(Amazonや楽天)で購入するのもおすすめしません。
しかし、買ってはいけないわけではありませんよ。ホームセンターの苗木にはいくつか気になる点があるので、十分に検討してから買ってほしいというだけです。
そこで本記事では、ホームセンター苗木のメリットとデメリットを解説します。

【執筆者】夏目ミノリ
山・畑持ちの元Webライター
地植え、プランター、水耕で作物を栽培中
| 自給自足しているもの |
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| 薬味(しそ、ねぎ) 野菜全般 果物(レモン、ブルーベリー、アンズなど) ハーブ(ローズマリー、バジルなど) ※その他、夫実家の家庭菜園を手伝ったり所有している山から山菜やたけのこを収穫したりしています |
「家庭菜園をやってみたい」という気持ちを応援するために、手軽さ重視で家庭菜園情報を発信します。
ホームセンター苗木のメリット
ホームセンターの苗木には、苗木専門店にはないメリットが2つあります。具体的にどんなメリットがあるか、ここで確認しておきましょう。
メリット1. 苗木を直接見られる
実物を見て購入できるのが、ホームセンターで苗木を購入する最大のメリットです。
近年は、通販で苗木を販売している専門店や小売店がたくさんあります。直接購入が可能な専門店もありますが、基本的には電話、メール、FAXでの注文です。
実店舗販売でないところで苗木を購入すると、苗木ガチャになってしまいます。元気な苗木を送ってくれるお店もありますが、残念ながらそうでないお店が多いのも実情です。

筆者も通販で何度か苗木を購入したことがありますが、届いたときには枯れていたことが何度かありますよ
枯れた苗木が届くなんて、苗木代+送料の数千円をドブに捨てるようなものですよね。
こうした理不尽な事態を防げるのが、ホームセンター苗木の特長です。苗木の状態をしっかりチェックできるので、納得したうえでお買い物ができます。
メリット2. 価格が安い傾向にある
ホームセンターの苗木は、専門店に比べて価格が安い傾向にあります。「失敗しても大丈夫」という気持ちで果樹栽培に挑戦できるので、初心者さんには大きなメリットとなるでしょう。
例えば、大手ホームセンター「カインズ」のオンラインストアでは、みかん(はるみ)の苗木が1,380円で販売されています。一方、老舗専門店(吉岡国光園)のはるみは1,900円です。数百円の差ですが、安さを重視するならホームセンター苗木の方が魅力的に見えますよね。
ただし、絶対にホームセンターが安いともいい切れません。
2026年1月、筆者が苗木屋さんで購入したびわ(なつたより)の価格は2,450円でした。しかし、コメリが2026年2月時点で春予約しているなつたよりは2,480円です。このように、ホームセンターの方が価格が高くなることもあります。
ホームセンターの苗木が安い傾向にあるのは確かですが、どの品種・どの時期でも100%ホームセンターが安いとは限らないので、注意してくださいね。
ホームセンター苗木のデメリット
ここからは、ホームセンター苗木のデメリットを解説します。
デメリット1. スタッフの管理によって苗木の品質が変わる
ホームセンター苗木の質は、店舗スタッフが苗木をどう管理しているかで変わります。場合によっては低品質な苗木が並ぶこともあるので、ホームセンターの苗木はおすすめできません。
ホームセンターにおける苗木の管理レベルは、スタッフによってさまざまです。売れるまで丁寧にお世話をしてくれるスタッフもいれば、管理がおおざっぱなスタッフもいます。必然的に苗木の品質にも差が出るので、お客さん側はいい苗を見極める目を持っておかなければなりません。
いきなり初心者さんがホームセンターで苗木を買うと、ハズレを引いてしまうおそれがあります。ホームセンターで苗木を買うなら、ある程度果樹に触れて、いい苗を見極める力を養ってからがおすすめです。
デメリット2. 苗木を大切にしていないお店がある
売り物として苗木を大切にしていないお店があるのも、ホームセンターの残念なところです。
以前筆者が行ったホームセンターは、強風でドミノ倒しになっている苗木を放置していました。枝は所々折れ、苗木の周囲には土が散乱。ずさんな販売状況を見て、筆者は「ほかの商品も雑に扱っているのでは…」と不信感を抱きました。
もちろん、全ホームセンターの商品管理が悪いわけではありません。筆者が遭遇したような店舗はほんの一部で、苗木を丁寧に扱っているホームセンターもあります。
しかし、商品への愛情に関して、店舗ごと・スタッフごとに差があるのは確かです。信頼できるホームセンターであれば苗木を買っても問題ありませんが、ホームセンターの良し悪しを判断できていない段階で苗木の購入に踏み切るのはおすすめしません。
デメリット3. 品種ミスがある
ホームセンターはたくさんの苗木を取り扱っているため、まれに本来の品種とは違うラベルがついた状態で苗木を販売していることがあります。
苗木だけでなく、野菜や花でもこうした品種のミスがあるようです。ネット上には、「育ててみたら、思っていたものと姿が違う気がする…」「〇〇だと思ったら別の花になった」といった体験談がちらほら見られます。
筆者がよく耳にするのはブルーベリーの品種ミスですね。ブルーベリーは種類が多いうえに見た目がよく似ているので、品種を見分けるのが困難です。ちょっとしたミスでラベルがテレコになっても、なかなか気づけないでしょう。
「絶対にこの品種を育てたい!」という強いこだわりがある場合は、ホームセンターより苗木のプロである専門店で購入する方が安心です。
デメリット4. 高品質を求めるのが難しい
残念ながら、ホームセンターで専門店レベルの苗木と出会うことは期待できません。専門店ではなくホームセンターを選ぶ以上、多少の妥協は必要でしょう。


実例をお見せします。こちらは、筆者がホームセンターと安い通販サイトで購入したブルーベリーの苗木です。まだ若い苗木だからというのもありますが、全体的に線が細く弱々しい印象があります。


一方、専門店で購入したこちらのブルーベリー苗木は、若いながらも木・シュートともに指1本分の太さがあり、見るからに勢いがあります。



違いは一目瞭然ですね
もちろん、ホームセンターの苗木すべてが低品質なわけではありません。しかし、質にこだわる専門店と小売店であるホームセンターとで質に差が出るのは事実です。たとえ同じ品種でも、質まで同じものが手に入るわけではないと思っておきましょう。
ホームセンターで苗木を買うのはOK!ただしチェックが必要
誤解がないようにいうと、ホームセンターで苗木を買うのは決してダメではありません。要はニーズの問題です。
例えば、新鮮な魚介類を楽しみたいならスーパーより市場がいいですし、おいしいコーヒーが飲みたいときは自販機の缶コーヒーではなく喫茶店に行くでしょう。だからといって、スーパーの魚介類が粗悪なわけでも、自販機のコーヒーがまずいわけでもありません。
苗木も同じで、手軽に苗木を買いたいならホームセンターでいいですし、苗木の質を求めるなら専門店で買う方が安心です。
もし、あなたがホームセンターで苗木を買うことを検討しているなら、きちんとホームセンター苗木のメリット・デメリットを理解したうえでお買い物をしましょう。何も知らずに買うよりは、失敗を防ぎやすくなるはずですよ。
※家庭菜園は、人によってやり方が異なります。当サイトの内容は筆者の知識・経験に基づいたものであり、他の人のやり方や考え方が間違っていると指摘するものではありません。

