生ごみの堆肥化は、おうちのごみを減らせるうえに家庭菜園にも役立って一石二鳥です。しかし、堆肥化はいいことばかりではありません。残念ながら問題点もあるので、コンポストを始める前に十分検討・対策することが大切です。
そこで本記事では、生ごみの堆肥化における問題点を紹介します。上手に生ごみを堆肥化させるコツにもつながるので、最後までチェックしてくださいね。

【執筆者】夏目ミノリ
山・畑持ちの元Webライター
地植え、プランター、水耕で作物を栽培中
| 自給自足しているもの |
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| 薬味(しそ、ねぎ) 野菜全般 果物(レモン、ブルーベリー、アンズなど) ハーブ(ローズマリー、バジルなど) ※その他、夫実家の家庭菜園を手伝ったり所有している山から山菜やたけのこを収穫したりしています |
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生ごみ堆肥化の問題点4つ

「生ごみを堆肥化させれば、エコに家庭菜園を楽しめますよ」
「堆肥化させた生ごみを使うことで、野菜が元気よく育ちます」
このように、多くの自治体が生ごみの減量化に向けて堆肥化のメリットを謳っています。
もちろん、何も間違ってはいません。しかし、家庭で生ごみを堆肥化させることにはいくらか問題があるのも実情です。具体的にどんな問題点があるのか、ここで詳しく紹介します。
問題点1. 時間がかかる

生ごみの堆肥化には、とにかく時間がかかります。期間の目安は数ヶ月~1年。簡単にはできないので、「そんなに時間がかかるなら堆肥を買ってきた方がいいや」と手作りを諦めてしまう人もいます。
生ごみを堆肥に変えるためには、分解と発酵の2工程を踏まなければなりません。生ごみを分解するだけなら夏場は5日、冬は2週間程度でできますが、発酵が完了するまで待つとなるとかなりの時間がかかります。
「今度の土作りで生ごみ堆肥を使いたい」
「夏場は生ごみがにおうから、早く堆肥化させちゃいたい」
コンポストでこうしたニーズを満たすのは、なかなか難しいでしょう。
問題点2. 悪臭リスクがある

生ごみが堆肥化するまでの間に、悪臭が発生してしまうことがあります。あまりにひどいと、生活に支障をきたしたりご近所トラブルにつながったりするので、におい問題で悩む人は少なくありません。
ただ、工夫次第でにおいを軽減することは可能です。どうすればいいかを知る前に、まずは堆肥化の仕組みを理解しておきましょう。

未処理の生ごみは水分を多く含んでいるので、堆肥化の序盤は酸素を嫌う嫌気性微生物が繁殖します。台所の生ごみから嫌なにおいがしてくる原因となる菌ですね。
嫌気性微生物が増えると、呼吸や分解による熱でコンポスト内の温度が上がり、生ごみ中の水分も徐々に減少します。さらに土をかき混ぜて酸素を入れることで、今度は酸素を好む好気性微生物が増殖。嫌気性微生物による嫌なにおいがなくなっていくとともに分解発酵も進み、堆肥が完成します。

つまり、生ごみの堆肥化で悪臭を出さないためには、いかに早く生ごみの水分を減らし好気性微生物を増やすかが重要です
悪臭を出さない工夫はいろいろありますが、微生物は人間の手でコントロールできないので、うまくいかないこともあります。生ごみの堆肥化に挑戦するなら、とくに序盤は悪臭との戦いになる可能性が高いことを覚悟しておかなければなりません。
問題点3. 虫が寄ってくる
生ごみのにおいにつられて虫が寄ってきたりわいたりするのも、堆肥化における問題点のひとつです。
微生物が生ごみを分解するには時間がかかります。コンポストの管理を間違えたり、生ごみを誤った埋め方で処理したりすると、堆肥化するまでの間に虫の温床ができてしまうでしょう。虫が苦手な人からすれば地獄絵図です。
生ごみを使う以上虫の発生リスクは避けられないので、堆肥化を始める前にしっかり対策を講じる必要があります。
問題点4. 処理が間に合わず生ごみがたまる


コンポストや生ごみ処理機で処理できる生ごみの量は限られています。1日に大量の生ごみを捨てることはできないので、処理しきれなかったぶんがたまってしまうと悩んでいる人もいるようです。
たまった生ごみは可燃ごみに出すしかありません。「結局生ごみを捨てるなら、堆肥化させずに全部捨てちゃった方がラクじゃん」…そう思うようになり、生ごみの堆肥化に対してモチベーションを維持しづらくなります。
問題解決には適切な堆肥化方法を選ぶことが大切!


生ごみの堆肥化にはいくつかの問題点がありますが、基本的に工夫次第でクリア可能です。しかし、答えはひとつではありません。
- どれくらいのスピード感で生ごみを堆肥化させたいか
- どこで生ごみを処理したいか(屋内 or 屋外)
- 1日にどれくらいの生ごみが出るのか
- 賃貸(マンション、アパート)か持ち家(戸建て)か
こうしたあらゆる環境やニーズが絡んでくるので、自分に合った堆肥化方法を導き出すことが重要です。そこでここからは、主な生ごみの堆肥化方法を2つ紹介します。各特徴を見て、どちらの方法であれば堆肥化の問題を解決しやすいかを選んでいきましょう。
方法1. コンポスト
コンポストは、土の中に生ごみを埋めて堆肥化させる方法です。電気を使わないので、光熱費を気にせず使えるところがうれしいですね。
処理スピードは完全に微生物頼りで、堆肥化が完了するまでに時間がかかります。悪臭・虫のリスクも高いので、定期体に土をかき混ぜたり水分量を見たりなどのお世話が必要です。



筆者は義実家にあるヒッポコンポストを使用しています
コンポストから土を出したら、最低でも3ヶ月は寝かせており、においを気にせず使える状態になるのは半年~1年くらいです
コンポストのサイズは、バッグのような小さいもの、外に設置する大型のものなどさまざまです。日常的に出る生ごみの量に合わせてコンポストを選べば、生ごみをためこまず処理しきれるでしょう。
【こんな人におすすめ】
- 屋外設置を検討している人
- 時間がかかっても上質な完熟堆肥を作りたい人
- 光熱費をかけたくない人
- 定期的なお世話が苦にならない人
方法2. 生ごみ処理機
生ごみ処理機は、電力やバイオ材の力で生ごみをスピーディーに堆肥化させられるのが特長です。機種のなかには1日で堆肥化できるものもあるので、スピード感重視の人にぴったりですね。
また、多くの機種がフィルターや生ごみの乾燥機能で悪臭対策を講じています。においが出にくいぶん、虫もわきにくいでしょう。
生ごみの処理容量においては、1日2L近く処理できる機種がたくさんあります。家族3~4以上でも対応できるので、生ごみがたまる心配もほとんどありません。
いいこと尽くしのように聞こえる生ごみ処理機ですが、残念ながらデメリットもあります。生ごみ処理機は本体価格が高く、なかなか手軽には購入しづらい代物です。ほしいと思っても、価格を見て回れ右してしまう人もいるでしょう。
しかし、自治体のなかには生ごみ処理機に補助金を出しているところがあります。本体価格の50~80%ほど負担してくれる太っ腹な自治体も多いので、いくらか手が届きやすくなりますよ。
【こんな人におすすめ】
- 室内で生ごみを堆肥化させたい人
- 集合住宅(マンション、アパート)で悪臭によるご近所トラブルが心配な人
- 虫が苦手な人
- スピーディーに生ごみを堆肥化させたい人
- 忙しい、ズボラなどの理由で堆肥化のお世話ができない人
生ごみ堆肥化に役立つグッズを使うのもおすすめ
生ごみの堆肥化を自力でやるのはなかなか難しいものです。微生物はコントロールできないので、いろいろ工夫してもうまくいかないことがあるでしょう。
そこで、生ごみの堆肥化に役立つグッズをいくつか紹介します。「初めてだから不安…」「失敗経験があるから自力でやるのは無理かも…」という人は、ぜひ使ってみてください。
「生ごみの堆肥化がうまく進まない」「コンポスト内の土の状態が悪い」といった場合は、こちらが便利です▼
悪臭・虫が心配な場合はこちらを使ってみましょう▼
リーズナブルなので、手軽に虫対策をしたい人に人気です▼
生ごみ堆肥化の問題点は工夫でクリアできる
生ごみの堆肥化には、「時間がかかる」「悪臭リスクがある」「虫が寄ってくる」「処理が間に合わず生ごみがたまる」といった問題点があります。
しかし、これらの問題は工夫すれば簡単に解決可能です。ポイントは自分に合った堆肥化方法を選ぶこと、問題解決につながる便利グッズを使うこと。問題点が気になって生ごみの堆肥化をためらっている人は、ぜひ本記事であなたに合った対策を講じて生ごみの堆肥化にチャレンジしてください。
※家庭菜園は、人によってやり方が異なります。当サイトの内容は筆者の知識・経験に基づいたものであり、他の人のやり方や考え方が間違っていると指摘するものではありません。


