本記事では、バジルの育て方を写真付きで丁寧に紹介します。
一般的に、バジルは肥料が必要なハーブといわれていますが、本記事で紹介するのはプランターでできる無肥料バジルの育て方です。「肥料を用意するのが面倒くさい」「余計なものを入れたくない」という人は、ぜひ参考にしてくださいね。
※どの程度を「無肥料」というかは、人によって解釈が異なります。本記事の「無肥料」は“肥料として販売されているものは一切使わない”という意味とし、腐葉土や堆肥といった肥料効果を含む資材は肥料としてカウントしていません。(ただし、複数回収穫した後は追肥しています)
バジルを栽培する前にスケジュールを確認しておきましょう▼

【執筆者】夏目ミノリ
山・畑持ちの元Webライター
地植え、プランター、水耕で作物を栽培中
| 自給自足しているもの |
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| 薬味(しそ、ねぎ) 野菜全般 果物(レモン、ブルーベリーなど) ハーブ(ローズマリー、バジルなど) ※その他、夫実家の家庭菜園を手伝ったり所有している山から山菜やたけのこを収穫したりしています |
「家庭菜園をやってみたい」という気持ちを応援するために、手軽さ重視で家庭菜園情報を発信します。
バジル栽培に必要なもの

バジル栽培に必要なものは、以下の5つです。
【バジル栽培に必要なもの】
- バジルの種
- プランター
- 土
- ホース
- 剪定ばさみ
各道具について、詳しく解説します。
1. バジルの種

バジルとひと口にいっても、いろんな品種があります。本記事では、一番メジャーなバジル「スイートバジル」の育て方を紹介しますね。
ピザやパスタなどで使えるバジルだから、育てておくと料理に活用しやすくて便利ですよ▼
2. プランター

プランターは、できるだけ大きめのものを選びましょう。
バジルは繁殖力が強く、短期間で大きくなるハーブです。土の中でよく根を張り、土の上では葉がわさわさっと生えてボリュームが出ます。小さい鉢だとあっという間に窮屈になるので、大きめの鉢を用意しましょう。
本記事では、最終的に1~2株だけ残すつもりで、大きすぎず小さすぎずの7号サイズ(2ガロン)の不織布プランターを使います。
こちらの緑色を使っています▼
3. 土

無肥料バジルを育てるうえで、筆者は木灰やもみ殻くん炭などの自然素材を混ぜて土作りをしています。無肥料バジルに挑戦する人は、下記の記事を参考に土作りをしてください
「資材の準備が面倒くさい」「無肥料にはこだわらない」という人であれば、野菜用の培養土だけで育てるのもアリですよ▼
4. ホース

ホースは日々の水やりで必要です。ジョウロでもいいのですが、水やりのたびに水を入れるのが面倒くさいので、筆者はホースを使っていますよ。
takagiの6水形は、種を動かしにくい「ミスト」や虫を落とすのに便利な「ストレート」などが備わっているので、便利でおすすめです▼
5. 剪定バサミ

バジルは、摘心・剪定などのお手入れでよくハサミを使います。おうちにあるキッチンバサミでも大丈夫ですが、バジルは葉が大きくわさわさ育って刃が入れにくいので、刃先が細い剪定バサミを持っておくと便利ですよ。
こちらは刃先が鋭く、ちょっとした隙間にも刃を入れられるので、使いやすくておすすめです▼
バジルの育て方
種まきから栽培過程に合わせて育て方を解説します。
種まき(6月22日)

まず、不織布プランターの底に腐葉土を敷きます。
正直なところ、腐葉土はあってもなくてもどっちでもOKです。筆者は腐葉土の「水はけアップ効果」と「肥料効果」がほしかったので、あえてプランターの底に腐葉土を敷きました。
腐葉土を敷いたら、土をたっぷりと入れます。

次に、バジルの種をまく用に穴を開けます。バジルは光が大好きな好光性種子なので、穴は浅め(5mm程度)でOKです。

穴の準備ができたら、ひとつの穴に5粒ほどまき、種が重ならないように竹串で散らします。種袋には「2~3粒」と記載されていますが、発芽成功率を上げるために筆者は多めにまきました。

どのみち間引くので、多少多くても大丈夫です


種をまいたら、軽く土をかぶせます。種に光が届くようにしたいので、上にかぶせる土が分厚くならないようにしてくださいね。
そして、種の乾燥を防ぐために土を手で押さえて、種と土を密着させます。


最後に、プランターに水をたっぷりかけます。
バジルの種は、光が当たりやすいように浅めの穴に植えています。水やりの水圧が強いと種が土から出たり動いたりするので、やわらかく水をかけるようにしましょう。



ジョウロを振り子のように動かしたり、ホースノズルの「ミスト」を使ったりするといいですよ
水やりを終えたら、プランターは日陰に置いておきましょう。
「あれ?バジルって日光が好きっていっていたのに、なんで日陰?」と疑問に思う人もいるでしょう。種まきの後は乾燥を防ぐのが鉄則です。いきなり日に当てるのではなく、日陰で様子を見て発芽してから日当たりがいい場所に移動させてください。
これでバジルの種まきは完了です。普段は以下のお世話をしながらバジルを育てていきます。
【バジルのお世話内容】
- 水やり(1日1~2回)
- プランターの位置替え
- 病害虫のチェック
バジルは暑い時期に育てるので、水やりは最低でも1日1回は行います。夕方に土が乾いているようであれば、2回目をあげてください。日中は気温が高いので、水やりは朝にやるのがおすすめですよ。
そして、プランターの位置替えもお忘れなく。バジルは日当たりがいい場所を好みますが、生育適温は20~25度なので、直射日光が当たって暑すぎるのもよくありません。天候を見ながら、暑すぎる日は日陰に移動させてあげてください。
最後に病害虫のチェックです。バジルには、アブラムシやベニフキノメイガなどの害虫が来たり、うどん粉病などの発症リスクがあります。水やりのついでに、病害虫の被害に遭っていないかチェックしましょう。
2日目~12日目


種まきした翌日のバジルです。プランターを見ると、さっそく小さな芽が出ていました。繁殖力が強いハーブだからでしょうか、育つのも早いですね。


数日後には、子葉が出てきました。


さらに数日経つと、小さな本葉が見えてきました。
よく見ると、バジルの苗が全部で10本あります。種まきのとき、2つの穴にそれぞれ5粒ずつ種をまいたので、発芽率100%ですね。
13日目


バジルの子葉と本葉が同じくらいのサイズになってきたころ、苗が窮屈そうだったので間引きしました。葉がとなりの葉とぶつからないようにし、風通しがいい状態にします。
17日目


さらに大きくなって窮屈感が出たら、2回目の間引きをします。
手前のバジルが虫食いにあっていますね。これはベニフキノメイガの被害です。早めに気づいて駆除したので、これ以上の被害には遭いませんでした。



毎日チェックして、姿を見つけたら即駆除!
害虫対策として2~3日おきに酢水もまきました(効果があるかは謎)
21日目


種まきから21日目で最終間引きです。元気そうな2本だけを残し、このまま大きく育てます。
31日目


約20cmほどの高さまで成長したら、バジルを収穫しても大丈夫です。


バジルの収穫は、野菜のように根を引っこ抜くのではなく、土から2節上を剪定バサミでカットします。こうすることで、残っている苗から脇芽が伸び、バジルがさらに大きくなって収量がアップしますよ。



この作業を摘心(てきしん)といいます
カットした部分は、そのまま料理に使いましょう。バジルの花が咲くまでであれば、何度も収穫を楽しめますよ。
バジル栽培を成功させるコツ
バジルを上手に育てるために、以下のポイントを意識しましょう。
【バジルを上手に育てるコツ】
- 土作りの段階でしっかり栄養を入れる
- 発芽するまでは乾燥しないように注意する
- 日当たりがいい場所で育てる
- 小まめに病害虫をチェックする
バジルは肥料を好むハーブなので、土に栄養が必要です。無肥料にこだわるなら、土作りの段階で腐葉土やコンポスト堆肥など、自然の栄養を入れてあげましょう。
ただし、何度も収穫していくといつかは肥料切れします。とくに、プランターは地植えと違って土に限りがあるので、肥料切れは免れません。
もしもバジルの葉が黄色くなってきたら、肥料不足の可能性が高いです。そのときは、無理せず肥料を与えてあげてくださいね。
あとは、種の乾燥を防ぎ、日当たりの確保(強すぎはNG)と病害虫のチェックを行えば、バジルはぐんぐん大きくなります。



成長も早いので、見ていて楽しいですよ!
家庭菜園の成功体験を積みたい人にもおすすめです
筆者は、肥料切れだと感じたときにこちらの肥料を使っています。国の基準をクリアしている&天然原料で構成されているので、安心して使えますよ(追肥したら、もう無肥料ではなくなりますが…)▼
無肥料バジルを育ててみよう
「バジルは肥料を食う」といわれますが、土作りを工夫すれば無肥料でもバジルを育てられます。元肥を用意する手間がなく、比較的手軽に挑戦できるでしょう。
料理に使いやすくて実用性が高いハーブなので、ぜひ育ててみてくださいね。
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