鉢植えで植物を育てている場合、成長に合わせて定期的に植え替えが必要です。きっと家庭菜園初心者さんであれば、こんな疑問を抱くでしょう。
「いきなり大きい鉢に植えちゃダメなの?そうすれば植え替えなんてしなくていいのに…」
筆者もそう思っていました。植え替えのたびに土作りをするのは面倒ですし、小さい鉢から大きい鉢まで用意するのはコストもかかります。多くのデメリットがあるにもかかわらず、なぜ家庭菜園では小さい鉢から大きい鉢に植え替えるのが一般的なのでしょうか。
そこで本記事では、苗をいきなり大きい鉢に植えてはいけない理由を解説します。

【執筆者】夏目ミノリ
山・畑持ちの元Webライター
地植え、プランター、水耕で作物を栽培中
| 自給自足しているもの |
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| 薬味(しそ、ねぎ) 野菜全般 果物(レモン、ブルーベリー、アンズなど) ハーブ(ローズマリー、バジルなど) ※その他、夫実家の家庭菜園を手伝ったり所有している山から山菜やたけのこを収穫したりしています |
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苗をいきなり大きい鉢に植えない理由

「苗をいきなり大きい鉢に植えれば、植え替え不要!」となればラクチンですが、残念ながらそうはいきません。基本的に野菜・果物作りでは、小さい鉢から徐々に大きい鉢へと植え替えていく作業が必要です。
ではなぜ、植え替えしない前提で初めから大きい鉢に植えてはいけないのでしょうか。具体的な理由を2つ紹介します。
理由1. 鉢の中が乾かないから
小さい苗の吸水量では、大きい鉢内の水分を吸い切れません。いつまでも鉢の中が乾かず根腐れのリスクを高めるので、苗に対して大きすぎる鉢を使うのはNGです。
また、鉢内に水がたまることで土の中の酸素も減ります。作物が大きくなるためには、水だけでなく酸素も必要です。小さい苗の少ない根では水をしっかり吸い切れず、根が酸欠状態となって生育不良を招きます。

鉢が大きすぎると根が溺れた状態になってしまうので、鉢内に湿気がたまらないサイズにすることは大事なんですよ
理由2. 根が張りにくいから
根の生育を阻害するのも、植物を大きめの鉢に植えるデメリットです。なぜ大きい鉢が根の生育を阻害するのか、理由には以下のような説があります。
【根の生育が阻害される理由】
- 根は水を求めて伸びていくから、土が乾きにくい大きな鉢内では根を伸ばす必要がなくなってしまう
- 根が枝分かれして伸びていくのは、障害物を避けるため。鉢植えの場合は鉢の壁が障害物となってくれるが、鉢が大きすぎるといつまでも根が壁にあたらず根を張りにくい
- 根っこが横ばかりに広がり下に向かって丈夫な根が伸びないため、株も強くならない
どの説にしても根がしっかり張らないので、いきなり大きい鉢を使っては丈夫な株が育ちません。植え替えは面倒な作業ですが、作物を丈夫に育てるためにも段階的に鉢を変えていくことが重要です。
植え替えることで得られるメリット


植物の植え替え作業は手間ですが、得られるメリットもあるんですよ。面倒でもやる価値があるので、植え替えの具体的なメリットをお伝えしておきます。
メリット1. 土壌改善ができる


植え替えは土作りからするので、栽培中の野菜や果物の状態を見て土壌改善できるのがメリットです。
土作りはなかなか完璧にはできません。配合ミスがあったり、正しく土作りをしたつもりでも作物の育ちがいまいちだったりすることがあります。そうした不具合があるまま栽培を続けても、植物はうまく育ちません。
しかし、植え替えをすれば一から土の見直しができます。「水はけがいまいちだから、もみ殻くん炭を入れよう」「肥料はやめてコンポスト堆肥で様子を見ようかな」など、状況に合わせた修正も可能です。



土作りから再スタートできるのは、植え替え作業ならではのメリットですね
メリット2. 根の様子が分かる


根の状態をチェックできるのも、植え替えのメリットですね。
ずっと同じ鉢に株が入ったままだと、根の状態が分かりません。葉や茎の様子からなんとなく推測はできますが、よほど家庭菜園に慣れている人でないと難しいでしょう。



とくに、家庭菜園初心者さんは作物の不調原因をずばりで断定するのが難しいので、対処法を調べても「これでいいのかな?」って不安になりますよね…少しでも多く判断材料がほしいところです
植え替えのタイミングであれば、根の様子がはっきり分かります。野菜や果物の不調原因をつきとめたいときも、根がひとつの判断材料になってくれるので、より的確に対処しやすくなるでしょう。
鉢サイズは飛び級せず適切な大きさのものを使おう!
いきなり大きい鉢に植えると、逆に野菜や果物を育てにくくなるおそれがあります。苗が多湿で根腐れしたり根が十分に張らなかったりし、大きい鉢にずっと小さい苗のままで残ってしまうかもしれません。
作物を丈夫に育てるためにも、鉢は徐々にサイズアップさせていくのがおすすめです。植え替えのタイミングで株の状態をチェックしながら、作物も鉢も大きくしていきましょう。
※家庭菜園は、人によってやり方が異なります。当サイトの内容は筆者の知識・経験に基づいたものであり、他の人のやり方や考え方が間違っていると指摘するものではありません。



